彼の変化に気付かない私

どんなに長い付き合いのお客さんであっても、絶対に警戒心を解くべきではない…アロマセラピストとして個人で仕事をするのであればこれは鉄則です。常連客であっても相手は他人…そう考えて線を引くことが大切です。これも営業の一部だから…なんて考えてお互いのプライベートに踏み込むようになると、後戻りができなくなってしまいます。

少し多めに金銭を受け取るようになった段階で…自分のプライベートの話をしてしまったことによって、もう私は後戻りができなくなってしまったのかもしれません。
しかし、当時の私はそれを何とも思っていませんでした。当時の自分に逢うことができたら怒鳴りつけてやりたいほどです。

◆仕事以外でも連絡を取り合うようになって…

今では仕事用の電話番号とプライベート用の電話番号を使い分けていますが、当時の私は2回線も維持する余裕がありませんでしたので、一台の携帯電話を両方に使用していました。これも仕事上の関係とプライベートな関係を混同してしまう理由の一つとなってしまったのかもしれません。

いつの間にか、私は仕事以外でも彼と連絡を取り合うようになりました。メールで予約してくれることが多かったので、彼とのやりとりはほとんどメールでしたが、徐々に予約以外のメールが送られてくるようになりました。
正直言って、当時の私はそれほど多くのお客さんを抱えていたわけではありませんでしたので暇でした。また、恋人もいない時期で、さらに仕事を変えた影響もあり、頻繁に連絡をとりあう友人さえもいませんでした。だから寂しかったのかもしれません。Aさんのメールに対して、マメに返信していました。

メールの内容はたわいのないものでした。Aさんの仕事の愚痴を聞くこともあれば、その日の食事のことなど、ごく普通の友人や恋人のやりとりと何も変わりません。最初は相手はあくまでお客さんだから…と遠慮していたのですが、ここでもだんだんと私は油断し、彼とさまざまな話をするようになってしまいました。
ついには、私の家族の話や、住んでいるアパートのことまで彼に言ってしまいました。

基本的に、私は絶対にお客さんに暮らしている場所のことは話しません。増して実家や家族の話なんか絶対にしません。
女の一人暮らしですので、そのくらいの警戒心を持つのは当然のことでしょう。しかし、プライベートでの人間関係が希薄なものとなり、寂しかった当時の私はべらべらと自分のことを彼に話してしまったのです。

Aさんもどんどん私のことをより深く探ってきました。今の私であればここで不審に感じて警戒を強めることでしょう。しかし、当時の私はそんなAさんの変化にまるで気付くことはありませんでした。
その結果として、さらに自分のプライベートをAさんにさらけ出すことになります。これが後で大きなトラブルを生むことになってしまったのです。

改めて言っておきますが、私はAさんに対して男性として魅力を感じていたわけではありません。また、仕事のために「女」を利用するつもりもまるでありませんでした。しかし、この時点で私はAさんを誘惑する形になってしまっていたのです。それに反応して、Aさんが変わり始めていたことにも気づけなかった…これがトラブルの引き金となってしまったのでしょう。

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