お金に困っていた私

はじめてAさんと会ってから、もう半年以上も定期的に呼んでもらっていましたので、自然と私も心を許すようになってしまいました。基本的に、出張でアロマセラピストとして仕事をする以上は絶対に油断をすべきではありません。よく知っているお客さんとは言っても、他人であることに変わりはありません。友人でも恋人でもなく、あくまでお客さんとして、一線を引く必要があります。
もちろん、アロマセラピストとして長く仕事を続けている今の私はそれを十分に理解していますし、どんなに長く利用してくれているお客さんとも一線を超えることはまずありません。しっかりと自分にもブレーキをかけていますし、お客さんが近づくことができないように壁を作っています。

しかし、当時の私はそれが十分にできていなかったのでしょう。

◆プライベートな相談をするようになって…

セラピストとして、お客さんのプライベートな相談を受けることはよくあります。これもセラピーの一つですので、仕事としてこなしています。
しかし、逆にこちらがお客さんにプライベートな相談をするようなことがあってはいけません。

当時の私でもそれくらいのことは理解していました。しかし、Aさんほど頻繁に利用してくれるお客さんは決して多くはありません。ほとんどのお客さんが一度きりの利用で終わってしまいますので、私の中でAさんは特別なお客さんとなっていました。誤解のないように言っておきますが、特に男性として惹かれていたわけではありません。あくまで、お客さんとして特別な存在となっていたのです。

そこで、いつの間にか施術しながら、自分のプライベートな話まで打ち明けるようになってしまいました。
具体的には、当時の私は金銭的に困っていましたのでそんな話をしてしまったのです。アロマセラピストという仕事はとても収入が不安定になってしまいがちです。今でこそ、ある程度安定した収入が得られるようになり、多少の蓄えもできていますが、当時の私にはまったく余裕がありませんでした。あまりお客さんがいなかった月は家賃と光熱費だけですべての収入が消えてしまったほどです。そのため、食費などを限界まで切り詰めて生活を送っていました。
こんな話をお客さんにすべきではありません。しかし、かなりAさんに心を許していた私はつい、話してしまったのです。

Aさんは比較的裕福な生活を送っているようで、私がお金に困っている話をすると、すぐに金銭的な援助を持ちかけてくれました。当たり前ですが、援助交際を…という意味ではなく、困った時は相談してくれればお金を貸してくれる…といった内容のものでした。
さすがに当時の私でもお客さんからお金を借りることはできません。なのでお断りしたのですが、その頃から料金に上乗せして少し多めに払ってくれるようになりました。最初はそれもお断りしていたのですが、本当に生活が苦しかったこともあり、いつの間にか当たり前に受け取るようになってしまったのです。

こうして一度甘えるようになってしまうと歯止めがきかなくなってしまいます。それほど大きな額ではありませんが、Aさんからの金銭に、私は頼るようになってしまったのです。これがすべての間違いのはじまりでした。

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